フリーランスの薦め

はじめに

私は未経験からSIer企業に入り、10年間の経験を経てフリーランスエンジニアとして独立しました。
SIer企業在籍中の9年間は古いシステムの保守案件に参画かつ現場で役に立つスキル以外は身に着けなかったためスキルは高くありませんでした。
しかし、そんなスキルのないエンジニアでも独立後は案件をこなしていけることを実証しています。
同じような境遇や立場の方々にとって、今後のキャリアの一例として参考になればと思い、情報発信をさせていただきます。
また、個別のキャリア相談も受け付けています。どうぞお気軽にお問合せください。

フリーランスエンジニアってスキルがなくても大丈夫なのか?

皆さんが思い描くフリーランスエンジニアってどういったものでしょうか?

  • 働く場所や時間、自分のスケジュールを自由に選べる柔軟性がある?
  • 案件を自分で獲得し、自律的に働く必要がある?
  • 他社と比較されても問題ない高いスキルを持ち合わせている?

半分正解ですが、半分は不正解となります。
案件は自分で選べるといった利点はありますが、週5の9時-18時が大半で最近はリモートの案件も減っています。
案件の探し方も個人の人脈ということもありますが、人脈がなくても仲介業者(レバテックさん等)を頼ることができるので受け身の姿勢でも案件を獲得できます。
求められるスキルも案件によってまちまちで、合わない場合は案件先企業から契約終了の話が出るだけです。これはフリーランスだろうがSIer企業だろうが同じことです。
結局のところ、フリーランスというのは「特定の会社、団体に属していない」というだけで、SIer業界ならば企業に所属している方とやることはほとんど変わりません。

なぜフリーランスを選んだのか?

私の場合は、単価や業界、勤務地など、単純に働くための条件を自分で選択できることがメリットだと感じたからです。
当時所属していた会社では、案件を選択できる立場になく、給与も単価と比べると低く、だいぶ会社に搾取されているなと感じていました。
フリーランスでも同じ仕事ができるので、同じ仕事内容なのに収入に大きな違いが出るなら、あえて低い方を選択している理由がないなと感じました。

どの程度収入に違いがあるのか?

私の場合の一例をあげます。
SESの1人月の単価を100万円、二次受けを条件とすると、

  • 会社所属の場合、給与は月40万円(会社は80万円の売上)
  • フリーランスの場合、月単価80万円の売上

会社員の場合は、給与という形で単価から見ると減額された金額が給与として入ってきます。
フリーランスの場合は、仲介業者を経由しても手数料を差し引いた多くの部分が自分の収入となります
あくまでも私の場合の話ですので、もっとマージン率の低い企業さんもいるかもしれません。

フリーランスのメリット・デメリット

私の感じるフリーランスのメリット・デメリットです。

メリット
  1. 経費計上できるため、業務に関連するサービスを積極的に導入できる(例:IDEやGitHub、Copilotなどのサブスク)
  2. 働く場所を自由に選択できる
  3. 会社の規約・イベントに縛られにくい

1.スキルアップのために必要なサービスを気軽に経費として受けることができます。
2.働く場所を自分で選ぶことができます。人によっては自宅から30分圏内で通える案件しか受けないという方もいます。
また、リモートワークの有無で案件を探すことも可能です。ただし、セキュリティ面や業務に支障がない場所で働くことが前提となるため、基本的には案件先または自宅で勤務ということが契約で決められることが多く、旅行先やカフェで仕事というのは難しいです。
最近は出社回帰の企業さんが多く在宅の案件が減っている傾向にあります。
3.正社員であれば会社のイベントや飲み会の参加が定期的に行われますが、フリーランスの場合は参加を強制されることはありません。これは見方によってはデメリットですが、イベント交流に関心がない方にはメリットと言えます。

デメリット
  1. 確定申告のための帳簿管理を自分で行う必要がある
  2. 健康保険や年金、税金の負担が大きい
  3. イベントに参加しにくい、エンジニアの交流が広がらない
  4. 有給休暇がない

1.確定申告を自分でやる必要がありますので、日々の財務管理をすべて記録する必要があります。確定申告については税理士にお願いする方法もありますが、会計ソフトを使えば初めてでもわかりやすく説明されているため、自分でやることをお勧めします。
2.フリーランスは個人事業主となるため、社会保険や税金の負担が大きいです。
これはマイクロ法人を設立し、個人事業主と二刀流とすることで社会保険の負担を減らすという方法もあります。
3.メリットのところでも上げましたが、社内イベントに参加する機会がほとんどありません。
これに付随してエンジニア同士の交流が広がりません。もちろん一緒に開発しているチームメンバーであれば日頃コミュニケーションを取っているので交流はありますが、自分の領域外の方との交流は少ないです。
開発上、コミュニケーションを取ったとしても関係を深めることは難しいです。
4.フリーランスには有給休暇がありません。これはデメリットにするか迷いました。
というのも、月の稼働時間に対しての単価がいくらという契約が一般的だからです。
例えば、月140時間~160時間で月100万円、下回った場合は減額、上回った場合は増額といった形の契約となります。
このため、稼働時間を満たしていればいくらでも休めるということになりますが、月によっては祝日の兼ね合いで営業日が少なく、1日も休めないといった形もでてきたり、1週間といった長期休暇が取りにくいこともあるため、デメリットとさせていただきました。

さいごに

それぞれの状況にあわせて最適な選択をしていただければと思いますが、一度はフリーランスという選択肢について考えてみることをお勧めします。
私自身は、フリーランスになって生活の満足度が高まり、非常に良い決断だったと感じています。
個別にキャリア相談をしたい方へはサポートいたしますのでご連絡お待ちしております。